なぜ、使えないなんて言われてしまったのか？その答えを知るために先輩エンジニアに質問した。すると、こんな答えが返ってきた。

「一般的なプログラミングスクールだと、与えられた課題に対して、受講している特定の言語、フレームワーク、ライブラリ、サポーターを使って、正解を組む能力が身に付く。つまり、「かなり具体的に指示をされれば組める」という能力だ。

でも、実際の現場だと、大きな目標と、チームと協調しながら各自役割をこなすためのルールは与えられるけど、「自分に与えられた役割の中で、どんな課題があり、どうすれば解決できるか？」は自らが考えて導き出しクリアすることが求められる。つまり、「具体的に指示されなくても、何とかして役割をこなす」といった能力が求められる。

そのためには、課題を見つけ出すための、プログラム読解解析力などの課題発見力や、解決するために必要な情報を収集する検索力、適性な情報を選定するための判断力、どうすれば限られた条件の中で解決するかという思考力などの、正解が一つでない状況下で、条件をクリアした答えを導き出すための課題解決力を身に付ける必要があるんだ。もちろん、それらの能力を支える基盤となる基礎的なプログラミング知識とスキルもね。

企業は、そんな能力を期待してエンジニアを採用する。たとえ、それが未経験者で知識幅やスキルレベルが低かったとしても、社会人として自走できる人間であれば「使えない」なんて決して言われず、むしろ「優秀」だと評価されるんだ。

現時点で出来ないキミが悪いわけではないし、もちろん今からでも遅くない。自走するための能力は、完全未経験からのスタートであったとしても、誰しもが身に付けられるんだ。